k9bookshelfでは英語の技術書を中心に取り扱っているのですが、一口に「技術書」と言っても実に様々な出版社が各々の個性で書籍を刊行しています。
国内の技術系出版社としては,オライリー・ジャパンなどが思い浮かぶかと思いますが、英語圏の技術系出版社というのはどういったところがあるのでしょうか?
今回は普段意識することが少ない、海外の技術系出版社の特徴・印象を並べてみようと思います。
Packt Publishing
イギリスはバーミンガムに拠点を置く技術系出版社です。
Webアプリケーションからモバイルアプリ、ゲーム開発系などの書籍を中心に取り扱っています。
王道的なテーマを深堀りした書籍を刊行している印象ですが、Computer Science系の書籍は少ないかも知れません。
以前30日連続で毎日一冊無料ダウンロードみたいな無茶なセールをやっていました。 (テーマが古いものが多くてあまりうれしくはなかったけど。。。)
動画コンテンツも豊富。自社のオンデマンド出版工場を持っているらしく、原則直販で仕入れています。
Pragmatic Bookshelf
社名が示す通り、 The Pragmatic Programmer(邦題: 達人プログラマー)の著者たちが立ち上げた 出版社。
ReactiveX, tmux2などのニッチなテーマを扱いつつも、間延びすることのない粒ぞろいの書籍が多いです。
一方でProgramming ClojureやProgramming Rubyなどの言語詳解系の書籍も刊行しています。
また来歴からか、マネジメント系の書籍も豊富に揃えています。
電子書籍ではDRM Freeを謳い、アーリーアクセスプログラムも提供しています。
数年前にサイトのリプレイスを行ったらしく、久しぶりにサインインしたらアカウントの再登録が必要になっていました。
Manning Publications
Pragmatic Bookshelfに劣らずマニアックなテーマからメジャーなものまで幅広く取り扱う出版社。
文体が口語寄りと言うか、脇道に逸れがちでやや間延びした印象を持つことがあります。
さり気なく和訳されている ことも多いですが、 装画やタイトルが元の姿を留めない程変わっている ことも多く、気づかずに読んでいたということがあるかも知れません。
機械学習やデータサイエンス関連の書籍が豊富なのも特徴です。
MEAP(Manning Early Access Program) で発売前の書籍を積極的に紹介していますが、刊行までに数年スパンで待つことが多いです。 それでも他所で取り扱われづらいテーマだったりするので、大人しく待つわけですが。。。 (私の場合はマイクロフロントエンドの本とか)
In Action, In Depthシリーズが有名です。 フルリモート の企業なんですね。
O’Reilly Media
技術系書籍と言えば、のオライリーの本家。
本のテーマと関係あるのかないのか分からない表示の動物で、技術系のキャリアでない人でも知っていたりします。
数年前のDRM Freeの停止以来、出版社と言うよりも技術系のラーニングプラットフォームといった姿を目指している印象です。
読み放題のやつ、実は利用したことがないんですが、すごく便利らしいですね。
Stripe Press
決済代行サービスの Stripe が運営している出版社。
自身が有数のテックカンパニーであることの経験からインスパイアされた刊行物には強いこだわりを感じます。
技術系の書籍は中身重視なのかペーパバックのものが多いですが、Stripe Pressのものは装丁も美しいです。
いわゆる技術の習得を目指す書籍というよりは、マネジメント関連や技術系ノンフィクションの書籍がメインのようです。
実は出版取次との取引がなく、且つ国内(US)配送のみの直取引でしか仕入れられないので、日本国内で手に入れようと思ったら当サイトがおそらく唯一の選択肢になると思います。
まとめ
当サイトで取り扱いの多い出版社を中心に、特徴や印象を並べてみました。
この記事で挙げた以外でも名著も絶版も多いPearson Educationや、ハードウェア関連の書籍が多いNo Starch Pressなど、魅力的な出版社は多数あります。
時には出版社から次に読む技術書を選んでみるのも面白いかも知れません。